うまの横顔

都会で刺激的な生活を送る僕と、田舎で何の変哲もない生活を送る猫。

過去と未来

 五厘に刈り上げられて青くなった頭、墨で書かれたような太くて黒い眉、日に焼けて茶色くなった顔。絵にかいたような野球青年であった私は、高校三年間、泥まみれになって白球を追う「激しい」日々を送った。朝早く、眠気眼でグラブを握り、夜遅く、疲労紺倍になりながらもバットを振り続ける日々。大変だったのは練習だけではない。体育会系特有の厳しい部内の規則、上下関係も実に大変なものだった。監督・コーチはもとより、とりわけ先輩たちが非常に怖い存在だったので、グランドの外でも戦々恐々とする日々だった。
 こうした辛くて苦しい高校三年間を、過去の出来事として語れる時が来るとは、夢にも思わなかった。当時は今が全てで、先を考える余裕さえなかったのである。時間は止まらずに流れるもので、「今」はすでに「過去」になっていることを、私はこの経験から知った。

睡眠について

最近、僕は不眠症である。いや、不眠症と医師の診断も受けずに決めつけてしまうのは良くないな。言い換えよう。最近、僕は寝たくても寝られない。


先日、僕は『一流の睡眠』(ダイヤモンド社)を読んだ。この本の著者は確か精神科医であったと記憶している。著者がこれまでに身に付けた一流の睡眠技術を、専門用語なしの非常に容易な文章でまとめている。


今回は、三流の睡眠によって慢性的な眠気に襲われている僕が、眠気眼にこの本から学んだことを幾つか紹介しようと思う。寝たくても寝れないという悩みを持つ人、あるいは赤ちゃんのようにコロリと寝れるには寝れるが、睡眠の質が良くないと感じている人。そういった人たちに読んでもらえれば、重い瞼を押し上げながら書いた甲斐がある。
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質の高い睡眠をする上で重要なのは、


①自分にとってベストな睡眠時間を見つけること


である。これが分かりさえすれば、睡眠に関する悩みは万事解決なのである。


あなたも耳にしたことがあると思うが、「睡眠には90分サイクルがある」「○○時間以上寝るのが一番良い」などと言った睡眠に関する噂があるが、実はこれ、全くの迷信なのである。残念ながら、睡眠時間に関する絶対的な正解、不正解は存在しないのだ。なぜなら、人それぞれ取り巻く環境が違うからである。年齢も違ければ、日々の生活で感じているストレス、あるいは体の疲れなどが違う。様々な事情を持っている人たちを束ねて一概に良い睡眠についての説明はできないのだ。
したがって、強いて睡眠に関してアドバイスができるとすれば、「自分にとってのベストな睡眠時間を見つけよ」ということになるのである。
なんだ、そんなことか、と思うかもしれない。しかし、自分の睡眠について十分な水準まで理解している人はごくわずかである。少なくとも、未だに寝起きの良しあしが存在する人は自分の睡眠に対する理解は十分でないといえるだろう。かく言う僕も、もちろんできていない。


では、どのようにして「自分のベストな睡眠時間」を知ることができるのか。
本書では、最も有効な手段として、「睡眠ログ」というものを挙げている。「睡眠ログ」とは、何ん日間かの睡眠時間を測り、そして記録をするというものである。就寝時間や起床時間はもとより、コーヒーをどの時間帯に飲んだか、寝る前にスマホなどの明るい光を浴びたか、運動をしたか、部屋の温度なども記録できたら、なお良いとする。その日の体の状態を◎△×などで記し、あるいは良い、悪い、最悪、などと記録に残し、自分の睡眠時間を理解せよ、自分のベストな睡眠時間を見つけよ。という話である。


いよいよ欠伸が止まらなって涙で前が見えなくなってきたので、いったん、文章を切ろうと思う。ここまで読んでくれてどうもありがとう。また。

ジムでバイトをする僕が言う「筋トレをする人は、仕事ができる人である」

フィットネスジムのアルバイトをはじめて5か月になる。週2日しかシフトを入れていないことに加えて、いかに楽をして手を抜くかに全力を注ぐバイトライフなので、なかなか仕事を覚えない。ジムのバイトは覚えることが少なく楽だと、なんとなくそんなふうに思っていたけれど、いざ働いてみると意外に結構大変なのである。受付業務に加え、入会・退会手続きをしたり、会員の口座の情報をパソコンで入力したり、施設内の監視カメラの映像をいじくりまわしたりと、業務が山のようにある。あと施設内の掃除や、お客様対応なども、もちろん業務に含まれる。普段も実に忙しく、ゆっくりと大きく息を吐く時間すらままならないから参ってしまう。時給に見合っていないという実態に文句を垂れたことも何度あったことか。


ただ、そんなジムのバイトにも、いくつか楽しみもある。それは、お客さんの個人情報が分かることである(個人情報を知っても決してメリットはないし、もちろん悪用することもないが)。ジムの会員になっている人にどんな人がいるのか、どんな職業をしている人なのか、など結構興味深い情報を知ることができることだ。入会手続きの際に、「お勤め先」を記入してもらう必要があり、そこで知ることができるわけだ。

何百人と、ジム会員さんのお勤め先を見てきて、一つ分かったことがある。それは、有名企業に勤める会社員だったり、国家公務員の官僚さんだったり、大手銀行マンだったり、芸能人だったりと、つまり、あらゆる業界のエリートが多いのだ。まあそうだろうな、とも思うし、おおそうなのか!とも思う。実に興味深い事実である。


読んだことはないが、「なぜ筋トレをする人は仕事ができるのか」のようなタイトルの新書を目にしたことがある。筋トレをすることと、仕事ができることが、因果関係にあるのか、それは僕にはわからないが、ジムに通っている人に、高所得者(仕事ができるということだろうか)が多いのは明白な事実なのだ。ただ、僕の働いているジムが東京の高級住宅街にあることが問題なのである(笑)。僕の測った統計データが、果たしてどれほどのバイアスがかかっているのか、まず考えるべきところはそこである(笑)。