うまの横顔

都会で刺激的な生活を送る僕と、田舎で何の変哲もない生活を送る猫。

大学図書館よ。



授業の空きコマには必ず図書館に行く。授業を受ける1号間のすぐ横が図書館で、行きやすいということもあるが、何よりも静寂に包まれた中で最高の暇つぶしができるからである。僕の大好きな読書のことだ。





この大学図書館は、僕の入学する前年に建てられたばかりで、とても新しい。だからまだ館内は、新築の匂いでプンプンしている。外観も美しく、輝くガラス張りに最上階の大自然と、まるで二子玉川ライズだ。蔵書数も多く、多くの分野の本がある。大学図書館としては文句なしだ。
ただ、僕からすると1つ大きな問題がある。それは、文学系の本が非常に少ないということだ。専門的な本ばかりで、日本文学のコーナーが驚くほど小さい。蔵書検索をしても、たいてい読みたい本は見つからず、そのたびに数の少なさを思い知らされる。
「大学図書館なのだから致し方ないだろ」
友人はそう僕を宥めるが、それでもまだ心のほっぺは膨らんでいる。

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