うまの横顔

都会で刺激的な生活を送る僕と、田舎で何の変哲もない生活を送る猫。

将来の夢を語る学生

僕は大学生である。現在2年生であるので、年が明けて4月になれと3年生になる。入学してから4月で丸2年が経つ。
僕は大学で学んでいるのは、「農業」に関する分野である。日ごろは大学で、朝から晩まで机上での勉強になるが、カリキュラムの中には「農業実習」と言われるものもある。机上の勉強だけではなく、実学も充実していることが、この大学の特徴であり誇れるところ(?)である。「農業実習」がどういうものなのかと言えば、農家のお宅に1週間ほど滞在し、机上では学ぶことのできない「農業」を、農業体験という形で学ぼうといったものだ。学生はこれを「フィールド研修」と格好良く呼んだりする。この国内での農業実習は、2年のカリキュラムに含まれる。また3年生になると、今度は国内を飛び出して外国に行く。アメリカやカナダ、アジア諸国と幅広い。行く目的はと言えばもちろん、「農業」を学ぶためである。詳しく言うならば、他国の農業を実際に見て国内の農業を改めて再考する、といったところか。2年次の「フィールド研修」は経験したが、3年生のそれはまだなので正直よくわからない。興味がないので、正直なんでもいいし、観光さえ楽しめればそれでいい。


話は変わるが、僕の大学に在籍する学生に「将来、農業をするのか」と聞けば、おそらく9割近くの学生が「いいえ」と答える。それはなぜか。答えは簡単、「農業に興味がないから」である。では「どうしてこの大学に入ったのか」と聞く。すると学生は「志望校に落ちたからしょうがなく」や「どこでも良かった」などと答える。だがその一方で「実家が農家だから」「農業に興味があったから」という前向きな理由の学生も少なくない。こうした学生は将来「農家になる」ことを夢見ている。入学時に前者と後者を比で表すとしたら、7対3くらいになるか。だが、これが2、3年にもなると、どうしたことか、9対1ほどになるのである。「農業をしよう」という夢を持つ学生が激減するのだ。何とも不思議な現象に感じるが、これにはしっかりとした理由がある。入学時から「農業」の勉強を始め2、3年も経てば、やる気のない学生でもそれなりに「農業」に関する知識が身に付く。そしてその頃になると皆気づいてくるのだ。『農業は「仕事」にすべきものではない』、と。


ちなみに僕は前者の入学理由。将来の夢は、「(農業に関わる)業界の新聞社もしくは出版社」に勤めることである。まだ意志は柔らかいが。

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